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この春、ラニーニャ現象終息の兆し

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2月10日、気象庁から去年の夏から続いているラニーニャ現象について発表がありました。 それによりますと、太平洋赤道域西部の表層に見られる暖水域が今後東に移動するため、春の間にラニーニャ現象は終息し、80%の確率で平常の状態になるとのことです。 ラニーニャ現象とは 太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より「低く」なり、その状態が1年程度続く現象で、数年おきに発生します。 逆に、同じ海域で海面水温が平年より「高い」状態が続く現象はエルニーニョ現象と呼ばれます。ラニーニャ現象やエルニーニョ現象は、世界中の異常気象の原因になっていると考えられています。 左がラニーニャ現象が発生している時の海水の様子(海水温が平年より低いエリアが青) 右がエルニーニョ現象が発生している時の海水の様子(平年より高いエリアが赤) 平常時の太平洋赤道域 太平洋の赤道域では、貿易風と呼ばれる東風が常に吹いているため、海面付近の暖かい海水が太平洋の西側に吹き寄せられています。 西側のインドネシア近海では海面下数百メートルまで暖かい海水がたまり、逆に東部の南米沖では、この東風などの影響で深いところから冷たい海水が海面近くに湧き上っています。 このため平常時、海面水温は太平洋赤道域の西部で高く、東部で低くなっています。 海面水温の高い太平洋西部では、海水の蒸発が盛んで、大気中に大量の水蒸気が供給され、上空で多くの積乱雲が発生します。 ラニーニャ現象が発生している時 ラニーニャ現象が発生している時は、東風が平常時よりも強くなり、暖かい海水が西部にさらに引き寄せられる一方、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなります。 このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも低くなっています。 ラニーニャ現象発生時は、暖かい海水がたまっているインドネシア近海の海上では積乱雲がいっそう盛んに発生します。 エルニーニョ現象が発生している時 エルニーニョ現象が発生している時は、東風が平常時よりも弱くなり、西部にたまっていた暖かい海水が東へ広がるとともに、東部では冷たい水の湧き上りが弱まっています。 このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも高くなっています。 エルニーニョ現象発生時は、積乱雲が盛んに発生する海域が平常時より東へ移ります。 ※画像および資